リフォームのこと〜二世帯リフォーム反対派、母の希望〜
同じ市内にある実家。
両親が暮らしている。
ふたりとも、あと1,2年で後期高齢者だ。
父は去年、長年闘ったガンの治療をようやく終えた。
母も同じく、去年、長年闘った肝炎の治療をようやく終えたが、
食道静脈瘤切除の手術が半年おきに2回繰り返された。
大好きだった母方のおばあちゃんは、 私が幼いころ、腹部動脈瘤で亡くなった。
両親とのこの先の人生を意識したのは、 昨年の母の手術後、そんなことを思い出した。
「いずれ、死ぬんだ。お父さんも、お母さんも。」
両親の「老い」は日ごろから感じていたが、
「死」について、漠然と、でも、現実として感じたのは、その時が初めてだった。
手術を重ねる度に、身体機能が目に見える速さで衰える。
38歳の私でさえ、1か月前に子宮内膜ポリープ切除の手術後、
3週間は体力も気力も万全にはならなかった。 74歳の体には、度重なる手術は相当きついんだろうな。
父は、2世帯リフォームに賛成してくれている。
自分の「老い」を正面から受け止めているようだ。
我が家の問題は、母。
手術や治療を繰り返し、身体機能も免疫力もだいぶ衰えてきているくせに、
気持ちだけはおそらくまだ20代花盛り。
ちらりとリフォームの話をしたが、
「あんたの気持ちはわかるけど、
お母さんは、干渉されたくないの!自由に生活がしたい!」の一点張り。
母に自由を切望する魂があるなんて、意外だった。
なぜなら、私に対し、完全なる過干渉だったからだ(笑)
外泊や朝帰りなど、社会人になっても禁止だった。
でもボトルネックになっている母の気持ちがわかったのは、
2世帯リフォームを進める上での、第一の「軸 テーマ」になった。
「お互い干渉しない、干渉されていると感じない空間づくり」
である。